弁護士野条健人の交通事故ノート

交通事故の被害者に役立つ情報を発信していきます!!

後遺障害等級12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」

 こんにちは!

 かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です!
 
 さて、本日は、後遺障害等級12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」についてです!



 そもそも、後遺障害等級12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」とは、一般的に神経系統の障害が医学的に証明される場合を言います。

 ここで言う「医学的な証明」とは、事故により身体の異常が生じ、医学的見地からその異常により現在の障害が発生しているということが他覚的所見をもとに判断できることを言います。

 従って、症状の原因が何であるかが証明される場合には、「局部に頑固な神経症状を残すもの」があると認められると考えます。

 このため、大事なのは、他覚的知見、これが重要で、神経根へ圧迫や外傷が客観的に証明できるか、MRIや画像所見などが重要になります!

 後遺障害診断書上の傷病名や通院履歴や他覚症状欄の内容、例えば、後頭部、頸部、項部、背部の著明な疼痛が残存しているのか、両手指のシビレと筋力低下が残存しているのか、こういう症状も大事ですが、さらに一つ上のランク、つまり、相当程度の神経の損傷があるかどうか、各種テストでも陽性反応が出ているか、それに符合画像所見が大事になります。
このように、症状の原因は神経の損傷かを客観的いえるか、神経系統の障害が医学的に証明されているといえるかが問題となります。

以下で、後遺障害12級の事案の紹介を再度いたします!

【脊髄損傷(後遺障害12級13号)・労働能力喪失率等が争われ当初より大幅アップで解決、当初の提示より2.5倍近くで円満示談が成立したケース】

依頼主 40代 女性 後遺障害等級認定 慰謝料・損害賠償 人身事故
野条 健人弁護士からのコメント
この事案では、相手方保険会社が顧問医の見解として後遺障害14級程度であることを述べてきましたので、主治医の見解と自賠責で認定された12級13号の理由付けや実際の労働能力喪失内容を具体的に主張していきました。
それでも解決案が提示されず、こちらの言い分も認めなかったため、交通事故紛争処理センターに和解あっせんを求めました。
交通事故紛争処理センターでは交通事故に詳しい専門委員が和解斡旋がなされ、訴訟よりは迅速でかつ柔軟な解決案が出されます。ここで我々が述べている内容を概ね認めていただき示談となりました。
このようにさまざまな解決手段が用意されておりますのでそれぞれの事案に適して対応に当たり、依頼者様のニーズに応えていきたいと思います。
一度お気軽にご相談頂ければと思います。
相談前
依頼者様は、横断歩道中に左折する自動車に巻き込まれ転倒し、頚椎損傷等の傷害を負い、半年間の治療を行いました。治療が終えた段階で。今後の補償(慰謝料の増額)のこと、後遺障害認定の申請についてきっちりと行っていきたいということで、弁護士に相談がありました。
相談後
相談後、弁護士が依頼を受けて後遺障害の申請とともに示談交渉を行ってきました。相手方保険会社は後遺障害12級の程度も懐疑的で争ってきましたが、最終的には12級で逸失利益も大幅に認められ、示談提示の2.5倍近くで示談が成立しました。f:id:kagaribi-kotsujiko:20210122225658j:plain
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【コラム】打ち切り交渉について

 

 こんにちは!

 

 かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です!

 本日はコラムになりますが、治療の打ち切り交渉についてです!

 

 これまでにも治療を打切りされたときの対応や解決事例についてお話させていただきました!特に自覚症状のみの神経症状のときに治療を打ち切られることが多いです。

 自賠責保険や健康保険を使って治療をするというのもありますが、デメリットも多いためできれば相手方保険会社の一括対応により治療を続けさせたい、治療を続けたいということが多いかと思います!この場合は、いかに相手方保険会社を説得させ治療を延長させるか、これが重要なポイントです。

 

 このため、治療を行う必要性があるといえるか、これをできる限り客観的な資料に基づき述べていく必要があります。例えば、治療を行う具体的必要性があることを医師から診断書や医療照会により客観化する、また、効果性つまり治療を行っていくことにより効果が出ている、治療を行うことで痛みが軽減している、そうであればまだ治療を行う必要があると思われます。まだ自覚症状を出来る限り客観的資料として残すことも有益でしょう。

 

弊所では日常生活に関する質問を行い、それを回答書で残す、また、軽減度合も指標化することも良いかとおもいます。保険会社の担当者によってはこれらを述べることでさらなる延長が認められたり、いつまでも治療することになるのは困るため、治療の終わりの時期を決めることを条件で延長を認めてくれる場合があります!

 

様々な方法がありますのでお困りの方は一度かがりび綜合法律事務所までご相談くださいね!

 

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【コラム】後遺障害逸失利益における労働能力喪失率、14級9号で5%以下で主張されているとき


 こんにちは!

 かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です!

 本日は、後遺障害逸失利益における労働能力喪失率、14級9号で5%以下で主張されているとき、です!(タイトル長いですね笑)

 さて、後遺障害逸失利益については、これまでも説明してきましたが、14級9号の神経症状のとき、よく労働能力喪失率は5%までいける的な文章がありますが、実際にはどうなのでしょうか?

 相手方保険会社から提案される際に、実は2%や3%とかなされていることがあります。

 そもそも、労働能力喪失率は、後遺障害により被害者の労働能力がどの程度低下したの認定判断で、自賠法施工例別表第1及び第2を参考とし、被害者の職業、年齢、性別、後遺障害の部位、程度、事故前後の稼働状況、所得の変動等の諸事情をみて具体的にどこまで労働能力が喪失しているのかで判断されます。

 このため、相手方保険会社はむち打ち程度では14級9号といっても、そこまで労働能力喪失がしていないのではないかとみてきます。
 したがって、被害者側で「いやいや後遺障害は存在して労働にも支障が出ている」旨をきちんと主張していくことが重要となります。

 例えば、後遺障害診断書の自覚症状欄には、「常に腰痛あり、立ち上る時や屈む時に激痛が生じる」「100m位歩行もシビレや脱力感がある」「日常生活では立ち上り、洗顔、長時間坐居、重量物の持ち上げ不能、従って就労に支障が多い」や後遺障害診断書の他覚症状欄には、「運動機能上下肢軽度障害、知覚機能上肢軽度下肢軽度シビレ感あり」「パソコン操作に行う際に疲労感が増す」「就労能力低下し集中力が持続しない」「頭部に頑固な神経痛が常時ある」と記載がなされているのであれば、神経痛の程度も14級の症状のなかでも大きいと主張することや実際に家事従事者として仕事ができなかった、休業している等の主張もすべきでしょう。
 このように具体的事実をもって、14級9号の場合には、原則、労働能力喪失期間は5年と主張すべきだと思います!

 このように神経症状でお困りの方はかがりび綜合法律事務所まで御相談ください。

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野条 健人弁護士(かがりび綜合法律事務所) - 大阪府大阪市 - 弁護士ドットコム

交通事故での一括払い

 

こんにちは!

 

かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です!

 

本日は交通事故での一括払いについてお話いたします。

実務においては、任意・自賠の「一括払制度」が行われています。なかなか難しく聞いたことだけはなんとなくあるという方も多いかとおもいます。

 

一括払いとは、加害車両に自賠責保険と対人賠償責任保険が付保されている場合、任意保険会社が、本来ならば自賠責保険会社が支払うべき自賠責保険金部分も含めた保険金を一括して支払い、後日、自賠責保険金相当額を自賠責保険会社に求償するという仕組みをいいます。

 

本来は、かいつまんでいいますと、交通事故の人身被害については、被害者が損害を立て替えて、それを自賠責保険会社に被害者請求して、それでも足りない場合には、相手方保険会社に残りの損害を請求することになります。

 

しかしながらこの制度が採用されることによって、被害者が2回にわたって請求するという煩雑な手続が解消されることになります。ただでさえ、交通事故の被害にあって苦しんでいるわけですから、このような方法は手間とともに被害者の救済に反するのではないかということになります。

 

このため、交通事故での一括払いという制度がとられています。

 

このことから対人賠償責任保険では、対人事故の人身損害が自賠責保険によって支払われる金額を超過することが支払要件となっています。

 

一括払いについて、対人賠償 『保険で免責となる場合、被害者の過失割合が大きい軽微な事故など、損言賠償額が明らかに自賠責保険によって支払われる金額を超過しないと判断さる場合には、原則として任意保険会社は一括払を行わないことになります。

 

お困りごとございましたらかがりび綜合法律事務所までご相談ください!

 

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解決事例 横断歩道を走行していたのにいきなり過失があるっていわれた場合【当方過失なし・慰謝料満額・休業損害満額で示談成立】

 こんにちは!

 かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です。

 本日は、解決事例 横断歩道を走行していたのにいきなり過失があるっていわれた場合【当方過失なし・慰謝料満額・休業損害満額で示談成立】

 についてお話いたします。

 昨今、自転車事故についてのニュースも多くなっていますが、被害者側の交通事故で被害者が自転車であるのですが、自転車の過失をやたらに強調する相手方保険会社が多いなという印象です。
 確かに、自転車は、道路交通法上、軽車両に該当し、車両として扱われており、交差点における他の車両等との関係等、車両等の灯火など車両に関する規定の適用を受けます。
 しかしながら、自転車といっても、速度は色々ありますし、危ない自転車の乗り方をしている方もみかけますが、ちゃんとルールを守って乗っている方もいます。それにもかかわらず、運転していたから過失があるみたいな捉え方をされると、被害感情も高まりますので、このあたりはきちんと主張することが大切です。本件ではまさにそんな事例でしたので、お困りの方は是非相談してください。

<解決事例>

** 第1 はじめに
 1 Xさんは、一般事務で仕事をしている方がでしたが、信号機のある交差点を青色信号にて電動自転車で直進していたところ、相手方車両が左折してそのまま後方確認をしないで後退してきました。このため、その後退してきた際にXさんは衝突され転倒しました。Xさんは転倒しているにもかかわらず、そのまま後退してきて転倒した自転車の上に乗り上げ、相手方車両の下敷きになりました。
 2 傷害の内容及び治療経過
Xさんは、本件事故により、中心性脊髄損傷、腰椎捻挫、左上肢下肢打撲傷等の傷害を負い、休業損害の内払いがなされないことにより弁護士に依頼することになりました。
第2 交渉の経緯
 1 損害及び交渉経過等

弁護士としては、大阪弁護士会緑本を基準に算出した上で請求を行っていましたが、相手方保険会社はこれに対して訴外を理由に緑本の80%にとどまる数字を提示していましたが、これは低額であり、妥当ではないと考えて、再度ねばり強く交渉していきました。また、相手方任意保険会社は、休業損害は一部機関のみと主張してきましたが、これについても妥当ではないと考え、これを後遺障害の診断書やこれまでの治療経過から主張していきました。本件交通事故後の治療内容と整合的であり、Xさんが本件事故という外傷により負傷したことが認められること、Xさんが現在も日常生活の上で、頚部に耐え難い痛みを感じて生活をしていること、各種テストにおいても異常な数値となっており、しびれが残存していることなどのこれらの他覚所見からしても、これまでに説明した受傷態様、治療内容、治療期間からしても、全ての期間において休業の必要性があったと考えるのが相当であることについても主張していきました。さらに、相手方保険会社はXさんに10%の過失があった旨を主張するが、本件事故態様からXさんの過失はないことは明白である。本件事故は、Xさんが電動自転車で信号機のある交差点を青信号にて直進で進入していたところ、相手車両が左折して後退していたところ、自転車に衝突し、こちらの言い分が認められました。
   このため、相手方に著しい過失があったと考えざるをえない事故であり、X氏さんに過失があるとは考え難いことを述べていきました。
 2 当方過失なし・慰謝料満額・休業損害満額で示談成立

最終的には、相手方保険会社とは示談交渉では解決せずに、紛争処理センターを利用しましたが、こちらに有利になることで解決できました。

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交通事故 解決事例 再アップです!

【異議申立により神経症状(後遺障害14級9号)が認められ、休業損害も全額認められ、約400万円で円満示談したケース】
後遺障害等級認定
慰謝料・損害賠償
人身事故
野条 健人弁護士からのコメント
神経症状による後遺障害については、第12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」又は第14級9号「局部に神経症状を残すもの」のいずれかとなります。
このうち、14級9号は神経学的検査所見や画像所見などからは証明できないが、受傷時の状況や治療の経過などから、連続性や一貫性が認められ、医学的に説明可能な症状であることが必要とされます。
特に異議申立てするに際しては、新たな検査結果や結果を提出したり主治医に意見を求めたりするなど、後遺障害の内容や程度を明らかにすることが必要です。

本件では、依頼者様の主治医に医療照会も行い、意見書を書いてもらい医療面談まで行うことにしました。その結果、異議申立てが認められました。
休業損害については、休業の事実があれば無条件で休業損害の発生が認められるわけではなく、傷害の内容・程度、治療内容、被害者が従事している業務内容等を勘案して相当な期間が休業期間として認定されます。

本件では、後遺障害14級9号が認定されたとともに、依頼者様が従事している介護施設の職員の仕事内容を効果的に主張したことが良い結果に結びついたのだと思います。
依頼者様より、「野条にしてよかった」「結果に満足している」旨の連絡がきた際には、自分としても有難いお言葉として胸に刻んでいます。
このように粘り強く交渉することにより得られるものもありますので、同じようなケースまたは後遺障害でお悩みの方は弁護士まで一度ご相談されることをお勧めいたします。
依頼主  30代  女性
介護職員の依頼者様は追突事故に遭い、頚椎捻挫等の傷害を負い、6ヵ月間治療をしていましたが、相手方保険会社より休業損害も1ヵ月分しか支払われないという現状で、今後の慰謝料の増額はもちろん、後遺障害の認定、申請時期や精神的にも事故後のサポートを求めている状況で、相談がありました。
相談後
お悩みを聞かせて頂き、慰謝料の増額はもちろん、後遺障害の認定、申請時期などの全面的な支援を行っていくため弁護士に依頼をしました。当初は、後遺障害も非該当という結果に至りましたが、弁護士は、依頼者様の主治医に医療照会や医療面談を行い、後遺障害の異議申立を行った結果、神経症状(後遺障害14級9号)の結果になり、その後休業損害も全額認められ、自賠責保険の損害賠償金も含めると、約400万円で円満示談いたしました。

 

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交通事故による失業するケースについて

こんにちは!かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です!!

 これまで弁護士の野条が扱ってきた案件について、紹介しながら解説をさせて頂き、被害者の皆様に役立つ情報を紹介させて頂ければと思っております!

 さて、本日は、失業者のケースに事例をあててみたいと思います!

 交通事故における「失業」は、論点としては、大きく言えば2つあると考えております!
 第1に、被害者が退職したり、解雇されたりして「失業」となるケース
 第2に、事故当時に「失業」者であったとしても後遺障害逸失利益が認められるべきかが問題となるケース
 です!本件での事例紹介では、第2のケースを紹介させて頂いておりますが、本日は両方とも説明したいと思います。

 まず、第1の、被害者が退職したり、解雇されたりして「失業」となるケース。

 本件事故により休業することが相当因果関係がある場合には、当然、「休業補償」は得られるはずです。これとパラレルに検討していけば、その後、症状が固定するまでの間の収入減少について、相当因果関係の範囲が認められれば、賠償請求は認められるでしょう。ここで大事なのが、本件事故により休業して、退職及び解雇されられたりすることの立証です。医証(カルテ)はもちろん、退職となると、事故の影響を直接及び間接受けていたのか、解雇であれば解雇通知書や解雇に関する書面を会社に提出すべきですし、退職でも同様に何らかのエビデンスは必要となります。再就職かどこまでできるのか、休業は完全休業でなけれなばらないのか、そのあたりもキチンと主張すべきでしょう。
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また証拠レベルが弱くても事故による影響を受けていることが理解されるレベルであれば、慰謝料の算定要素として斟酌される場合があります
東京地裁判昭44年6月25日参照。赤い本1993年版の「任意退職と解雇の場合の損害賠償について」)。」

 ただ、なかなか示談交渉で応じてもらえることが多いとはいえないため、紛争処理センターを使ってみるのも一つでしょう!