弁護士野条健人の交通事故ノート

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【知識編】高次脳機能障害第7級4号に該当するかどうかについて

 こんにちは!

 かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です!

 本日は、高次脳機能障害第7級4号に該当するかどうかについてです。

 これまでにも、このブログでは高次脳機能障害についてはお話させて頂きましたが、医療のレベルも上がり、高次脳機能障害でも一定の回復が見られ、第7級程度の症状の事例で争点となることもあります。

 
 
kagaribi-kotsujiko.hatenablog.com

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 高次脳機能障害では、その第7級に該当しているか否か、そうだとして、労働能力が喪失しているかどうか、具体的には、障害認識能力、家庭や職場への適応能力、生活の困難さ、支援の有無など複数の事柄が労働能力に影響を及ぼしていることは明らかであり、行動障害及び人格変化を原因とした社会的行動障害が生じ、労働能力が少なくとも67パーセント喪失しているかが問題となります。
 
 すなわち、頭部外傷後の神経系統の機能または精神の障害が「軽易な労務以外の労務に服することができないものとして」自動車損害賠償保障法(以下、「自賠法」という。)施行令別表第二第7級4号に該当すること、これに関連して原告の労働能力喪失率が67パーセントを下らないのか、というところです。

 労働能力喪失については、過去のブログでもとりあげさせていただいた次第です。

 
kagaribi-kotsujiko.hatenablog.com

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 一般的に後遺障害機能の判断に当たっては、事故により頭部に外傷が生じたこと、受傷後の意識障害の有無、意識回復後の認知障害及び人格変性等が基本的要素により判断されます。事故により頭部を強く打ち付けに脳損傷を負い脳室が拡大していることに鑑みると頭部に外傷が生じていることや、受傷後の意識障害があり、各心理や認知機能検査や意識回復後の認知障害及び人格は著しく悪化及び変化していることから、脳外傷に起因する高次脳機能障害が残存していることは明らかであるかが重要だと考えます。
 
 特に、事故に起因する頭部外傷後の神経系統の機能又は精神の障害については、各種後遺障害診断書認定時に提出された「日常生活状況報告」等に基づいて評価されますし、第7級4号が「一般就労を維持できるが、作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなどのことから一般人と同等の作業を行うことができないもの」とされ、注意力の散漫や注意能力の著しい低下が顕著にみられるかどうか、各種検査によりきちと主張する必要があります。
 高次脳機能障害者の労働能力を考察するにあたっては、障害認識能力、家庭や職場への適応能力、生活の困難さ、支援の有無など複数の事柄が労働能力に影響を及ぼしていることを理解すべきであり、就労を阻害する要因としては、認知障害だけでなく、行動障害及び人格変化を原因とした社会的行動障害を重視すべきであり、社会的行動障害があれば労働能力をかなりの程度喪失すると考えるべきであるとされています。

 このあたりは、色々と本来的にはお話したいことがたくさんありますが、時間的な制約もあり、ここでは全て記載できないのが残念ですが、またの機会にきちんと記載していきたいと思います!

 
野条 健人弁護士(かがりび綜合法律事務所) - 大阪府大阪市 - 弁護士ドットコム

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