弁護士野条健人の交通事故ノート

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成功事例【異議申立が認められ後遺障害14級9号により総額300万円超で示談したケース】

成功事例【異議申立が認められ後遺障害14級9号により総額300万円超で示談したケース】
第1 はじめに
   Xさんは事故に遭い、腰痛捻挫等の傷害を負いました。腰椎捻挫もヘルニアが発症するレベルでありましたが、他の弁護士は見向きもしない対応でうんざりしていたころ、かがりび綜合法律事務所にご相談がありました。XさんはOLさんでしたが、か主婦でもあり、主婦の休業損害もでることができました。当職が交渉を行い、後遺障害逸失利益が事故前の収入どおりで計算され、交渉前より遥かに高い総額300万円で示談しました。
第2 交渉の経緯
   まず、Xさんの事情を詳細に聞き取りしました。確かに減収はありませんが、以前の仕事に比べて内勤が多くなっていること事故により仕事量が減少し職場の上司より昇給が難しくなっていること、配達業での力作業が出来なくなり転職が考えざるを得ないこと等が分かりました。これら聞き取り内容を分析して主張を行ったり、職場の上司に聞いてもらったりした内容を証拠として提出したりしました。粘り強い交渉の結果、Xさんの満足が高い結果で解決できました。
第3 弁護士のコメント
   実際の減収がない若しくは低下している金額が少ない場合にはよく争いになります(別でコラムとして述べる機会があればその際に詳述いたします)。
   一つの考え方として、賠償の対象となる損害を交通事故がなかったなら被害者が得られていたであろう収入と事故後に現実に得られる収入との差額であるとみる考え方です。この考え方に立つと事故後に被害者の減収がない場合には、後遺障害逸失利益は認められないことになります。
   しかしながら、実際には後遺障害が残存している場合には労働能力の低下や仕事の能率も低下したり、今後被害者が昇給できなくなったり不利益を受けたりすることもあります。また、被害者自身がストレッチや病院に通っている努力があるからこそ、減収していないという評価も成り立つことがあります。
   このため、一概に減収していないからといって後遺障害による逸失利益が認められないという発想に立つのではなく、後遺障害による労働能力が低下し、その低下が被害者の損害にどのように寄与しているのか等も考慮して主張していくべきであると考えています。
   少しでも関連することでご相談のある方は一度ご連絡頂きますようお願いします。
以上
弁護士のコメント
   事業所得者の収入減少額については、一般に確定申告や添付資料の控えによって認定がなされます。ところが、自営業者の場合は、申告書上減収が見られないケースや申告が過小であるため実際の減収額が割に合わない、減収期間(休業期間)の整合性がよく分からない等の理由により休業損害が認定されないケースがあります。
   もっとも、減収については、被害者側が主張する事業の内容、証拠上明らかな売上と売上原価及び経費の存在を立証し、それが認められると裁判所は実態を斟酌した休業損害を認めるケースがあります。
   休業の期間については、その仕事が客観的に休業する必要があることを医証(カルテ)に基づいて丁寧に主張する必要があります。
   その際に重要なのがその仕事がどうして出来ないのかを丁寧に論ずることです。仕事によって休むべきものか休むべきではないかは大きく変わってきます(デスクワークと力仕事関係の仕事でも想像すれば歴然だと思います。)
   さらに、本件では事故により代替の労働費用(Xさんが仕事ができなくなったことによる外注に出した費用)の明細を揃えて証拠にしたり、現場関係の仕事内容や写真を揃えて裁判官に分かりやすく説明したことも効果的だったと思います。
   必ずしも認識していた休業損害の金額が認められなくとも、慰謝料が増額されることもありますので、一度弁護士までご相談頂ければと思います。
以上