こんにちは!
かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です!
さて、修理費用と車両時価額についてお話いたします。
まず、全損について、物理的全損:損傷が激しく修理が不可能な場合と、経済的全損:物理的に修理は可能だが,車両修理額が事故時の車両時価額を著しく上回る場合、があります。いずれの場合も,全損であるから賠償すべき範囲は車両時価額となります。
では、車両時価額は,実務上はレッドブック記載の標準価格を事故車両の走行距離や車検残存期間等に応じて修正し算定するのが通例です。
同様に,経済的全損か否かを判断するにあたって修理費用と比較すべきものは被害車両の時価額だけでなく,買い替え諸費用等も含めた全損害額と解すべきとした裁判例もあったりします。
なお、新車等の買い替え要求については、民法上金銭賠償の原則(民722 I, 417)から、物自体の交付要求は認められません。
評価損(格落ち損,評価落ち)についても、お話いします。事故車両を売却したことにより現実化した「差額」 を請求することになります。
そこで、裁判例上,評価損の有無・程度の判断要素として考慮されているものとして,① 初年度登録から事故時までの時間的経過の長短② 走行距離の長短
③ 損傷の部位・程度④ 修理の金額・程度⑤ 車両の価値(高級車か否か等)⑥ 車両の希少性(ヴィンテージカー等)など要素をみていくことになります。