弁護士野条健人の交通事故ノート

交通事故の被害者に役立つ情報を発信していきます!!

高次脳機能障害について

 

 こんにちは!

 

 かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です。

 本日は、高次脳機能障害の交通事故での諸問題についてお話いたします。

 まず、脳の器質的損傷は画像上確認できるもの/確認しにくいびまん性軸索損傷かどうかですが、これは認定の慎重にされます。器質的損傷有り→1級あり得ますし、器質的損傷なしというのであれば原則9級までという印象です。

 次に、脳の器質性障害については、脳の機能について一次機能と高次脳機能があり、それぞれ大脳のどの部分か判明しているものがあります。高次脳機能の神経ピラミッドといわれますが、器質的損傷の態様と障害の特徴については、この2つに分かれます。局在性(局所性)損傷:障害内容と損傷部位の関連により器質性判断と、びまん性脳損傷:損傷部位の巣症状のみならず,連結機能にも障害があります。
 そして、高次脳機能障害の意義ですが、巣症状のみならず,認知障害や情動障害含む全般的な情動・人格障害を含むとされています。しかし、非器質性精神障害との区別が難しいので、症状と器質的損傷部位との整合性認定が非常に重要となります。

 では、後遺障害等級認定方法はどのようなものでしょうか?
 高次脳機能障害と身体性機能障害に分けてそれぞれ評価したうえ,併合ではなく総合的に判断するという扱われます。

 高次脳機能障害の後遺障害認定については、外傷後の急性期に始まり,多少軽減しながら慢性期へ続くかどうか、多彩な認知障害,行動障害,人格障害が典型症状であるのか、主として脳外傷によるびまん性脳損傷を原因とするが,局在性脳損傷脳挫傷,頭蓋内血種等)との関わりや併存あるのか、神経症状による起立・歩行障害あれば高次脳機能障害疑うべきです。
 急性期に重篤でも,時間経過により軽減傾向になりますし、認知障害や人格変化が残れば社会適応能力が様々に低下されることになります。また、医師,家族,本人気づかず,見過ごされやすいので非常に慎重になる必要があります。
 4つの能力(意思疎通能力,問題解決能力,作業負荷に対する持続力・持久力,社会行動能力)を6段階評価→整理表にあてはめ3~14級とされます。

 

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