弁護士野条健人の交通事故ノート

交通事故の被害者に役立つ情報を発信していきます!!

確定申告の収入と実際の収入にズレがある場合

 

 

 

 

 こんにちは!

 

 かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です。

 

 確定申告の収入と実際の収入にズレがある場合の、後遺障害逸失利益が争われる場合についてです。

 

 逸失利益は、論点は多岐にわたりますので、以前記載した論点は、過去のブログをアップしておきますので、宜しくお願いします。

 

 

 

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さて、相手方保険会社は、後遺障害による逸失利益を争う旨を主張していきます。その根拠としては被害者さんの算定基礎収入が確定申告及び所得証明書による金額が赤字若しくは極めて小さいものであることを根拠にしてくることが多くあります。


しかしながら、判例を見る限り、交通事故時点における事業が赤字であるからといって当然に逸失利益が否定されるわけではなく、収支状況や稼働状況等を総合的に考慮し、収入を得られる蓋然性が認められる範囲で認定するのが相当とされています。

 

賃金センサスの被害者が属する性や年齢別の平均賃金額の60パーセントを基礎収入額として認めている裁判例もあります(大阪地判平成26年12月11日)。

 

また、赤字事業でも、事業の好転を期待して継続する者がいれば転業する者もいるのであって前者を選択したことを理由に逸失利益を否定することは結果的に加害者を利することになり、損害の公平な分担という損害賠償制度の趣旨にもとる等として、賃金センサスの学歴別の平均賃金の7割を基礎収入額として認めている裁判例もあります(横浜地判平成26年12月26日)。
 

このように、事業が赤字であっても当然に逸失利益が否定されるわけではなく、被害の実態に即して逸失利益の算定がなされるべきです。

 

 

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