【事故後に被害者が減収はあまりないが後遺障害逸失利益が認められたケース】
こんにちは!かがりび綜合法律事務所代表弁護士の野条です。
本日は、事故後に被害者が減収はあまりないが後遺障害逸失利益が認められた事例についてお話いたします。
後遺障害の逸失利益・慰謝料は、弁護士さんを入れることにより、大きく変わってくる場合がありますので、以下でも事例を挙げておきます。
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第1 はじめに
Xさんは追突事故に遭い、頚椎損傷等の傷害を負い、後遺障害12級13号に認定されました。Xさんは配達業の従業員でしたが、交通事故により減収はありませんでした。このため、相手方保険会社は事故後の後遺障害逸失利益は殆ど認定していませんでしたが、当職が交渉を行い、後遺障害逸失利益が事故前の収入どおりで計算され、交渉前より遥かに高い総額1100万円で示談しました。
第2 交渉の経緯
まず、Xさんの事情を詳細に聞き取りしました。確かに減収はありませんが、以前の仕事に比べて内勤が多くなっていること事故により仕事量が減少し職場の上司より昇給が難しくなっていること、配達業での力作業が出来なくなり転職が考えざるを得ないこと等が分かりました。これら聞き取り内容を分析して主張を行ったり、職場の上司に聞いてもらったりした内容を証拠として提出したりしました。粘り強い交渉の結果、Xさんの満足が高い結果で解決できました。
第3 弁護士のコメント
実際の減収がない若しくは低下している金額が少ない場合にはよく争いになります(別でコラムとして述べる機会があればその際に詳述いたします)。
一つの考え方として、賠償の対象となる損害を交通事故がなかったなら被害者が得られていたであろう収入と事故後に現実に得られる収入との差額であるとみる考え方です。この考え方に立つと事故後に被害 者の減収がない場合には、後遺障害逸失利益は認められないことになります。
しかしながら、実際には後遺障害が残存している場合には労働能力の低下や仕事の能率も低下したり、今後被害者が昇給できなくなったり不利益を受けたりすることもあります。また、被害者自身がストレッチや病院に通っている努力があるからこそ、減収していないという評価も成り立つことがあります。
このため、一概に減収していないからといって後遺障害による逸失利益が認められないという発想に立つのではなく、後遺障害による労働能力が低下し、その低下が被害者の損害にどのように寄与しているのか等も考慮して主張していくべきであると考えています。
少しでも関連することでご相談のある方は一度ご連絡頂きますようお願いします。